2025年7月10日

こんにちは。
武蔵境の下井歯科医院です。
突然ですが、皆さんはエナメル質形成不全またはMIHという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
お口の中をよく観察すると、エナメル質形成不全の歯がある方が稀にいらっしゃいます。
どのようなものなのか、今回は詳しくご紹介したいと思います。
エナメル質形成不全とは?
エナメル質形成不全とは、エナメル質に色調の異常(歯の表面が白、黄色で透明感のないような状態)、表面性状の異常(粗造であったり形が異常)などがみられる歯の形成障害の一部です。
エナメル質が上手く形成できなかったために、知覚過敏や虫歯にになりやすいという特徴があります。
原因
一つ局所的な原因として、ターナー歯(乳歯をぶつけてしまったり乳歯が神経まで達する大きな虫歯になり、根っこの先で炎症を起こしてしまった場合、その下にある永久歯に影響が及ぶことがあります)があります。
他には遺伝や全身疾患、薬、放射線などが関係していることもあります。
一方、原因不明の場合も多くみられます。
MIHとは?
エナメル質形成不全の中でも特に、第一大臼歯と切歯に限局して生じ、左右非対称のものをMIH(Molar Incisor Hypominerelization)と呼びます。
ここ20年ほどで注目されるようになり、2018年に日本小児歯科学会が7〜9歳の児童を対象に行なった調査によると、約5人に1人がMIHであることが分かったそうです。
原因
現在MIHの原因は明らかになっていません。
予防と治療法
- フッ化物塗布•••定期的にフッ素塗布を行い歯質を強化します。
- シーラント•••特に大臼歯の歯の溝から虫歯になりやすいので、その溝をコーティングします。
- ダイレクトボンディング•••レジンを用いて気になる箇所や欠けている箇所を削り詰め直します。
- ラミネートベニア•••前歯の表面を一層を削り、セラミック製の薄いベニアを貼り付けます。
その他、似ている疾患
他にも歯が変色する疾患についてご紹介します。
初期虫歯によるホワイトスポット
エナメル質形成不全によるホワイトスポットの他にも、初期の虫歯が原因でできるホワイトスポットもあります。虫歯菌によってエナメル質の表面が溶けてしまうことで、そこの部分が白く濁って見えます。
テトラサイクリン歯
抗生物質の中でも、テトラサイクリン系のものを永久歯の形成時期(0〜8歳くらい)に使用すると、歯の色が茶色、灰色に変色してしまうテトラサイクリン歯というものがあります。
現在では8歳以下のお子様や妊娠中、授乳中の方への投薬は避けることになっています。
まとめ
これからさらに研究が進み、原因が分かったり、根本的な治療法が発見されるといいですよね。
エナメル質形成不全の歯があると虫歯リスクも高くなってしまいます。定期的に歯医者さんでケアをし、いい状態を保っていきましょう!
気になる方は、お気軽にご相談ください。
※画像引用 第116回歯科医師国家試験
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